はじめにお客様からお預かりした時計の不具合箇所を外観(ガラスの欠損・ケースやブレスレット、革バンドの状態)、機能(リュウズやプッシュボタンの機能検査、時計の針回し具合のチェック、アラームの振動音、共振音の正否チェック、防水性の検査)、精度(ムーブメントのタイミング、テンプの振り角、片振り)などの検査をすべて行い、想定される不具合の原因をすべて考察します。
時計の裏蓋を専用の工具を使用して慎重に開けます。
ムーブメントの巻き芯(リュウズの芯棒)を固定しているネジを緩めてリュウズを拭き取り、ケースにムーブメントを直接固定している留めネジ2本を取り外して、針と文字盤がセットされたムーブメントをケースから取り出します。
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洗浄機で洗い上げられたムーブメントのパーツ類は残留磁気を帯びている可能性があるため、脱磁作業を行ってから組み立て作業に入ります。
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タイミングの調整を行ったムーブメントに文字盤と針を取りつけ、ケース内部に組み込みます。
防水検査が完了した時計を二週間ほどワインディングマシーンにかけて各姿勢でのタイミングの経過テスト(ランニングテスト)を行い、不具合が無いかどうか最終検査を行います。
ランニングテストを行った結果、経過が良好であった時計は、オーバーホール作業を行った技術者とは別の技術者の手により最終検査(外観、機能、精度)を行い、合格した時計のみ完成品としてお客様のお手元へ届けられます。全ての作業が完了するまでにはおよそ1ヶ月の期間と要します。